孫子の兵法

 

   ここでいう“兵法”とは武術や剣術を指すものではなく、軍隊の運用・戦略に関する方法のことです。しかし、現代の戦争というものは随分
  とその方法も変わりました。そもそも平和主義のわが国には戦争のマニュアルなど必要ありません。ならば、なんのために・・・。それは
  単なる趣味です。ついでに日々の生活の中で応用できることがあればなー、という目的もあったりします。生かすも殺すもあなた次第。

 

『孫子』基礎データ

   著者は孫武(春秋時代、約2500年前)といわれている。上記のように兵法書で、13篇。戦争の法則を研究し、いかにして勝つ(負けない)か
  を追求している。結構有名な書物で、名前くらいならきいたことのある人も多いだろう。かつては三国時代の曹操や武田信玄、ナポレオン
  までもが孫子を参考にしたそうだ。第一次大戦で敗れたドイツ皇帝は「20年前に孫子を知っていたなら・・・」と嘆いたという。

 

一.始計   どっかの消費者金融じゃありませんが、事前の準備が必要です。

   「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり」

      戦争は何も生み出さない“最終経済”である。本当に最後の手段として認識せよ。みだりにケンカをふっかけてはいけないということ。

   「一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法」

      戦力を検討するにあたって、この5つの基本問題を知ることがはじめの一歩。己を知りましょう。

       道  大義名分のこと。君主・国民一丸となって臨むこと。よく分かりますね。
       天  気候・季節・天気・時間などの条件。確かに重要な要素です。
       地  いわゆる、地の利。例えばホームとアウェイでは随分と違いますね。
       将  将の器量に関すること。知(謀)・信(義)・仁(慈)・勇(気)・(威)厳を兼ね備えろ。優秀な部下はやっぱり必要だ。
       法  やっぱり集団をまとめるには法規が必要。まとまりのない集団ではダメですね。 

   「主、孰れか有道なる、将、孰れか有能なる、天地、孰れか得たる、法令、孰れか行わる、
                    兵衆、孰れか強き、士卒、孰れか練いたる、賞罰、孰れか明らかなる、と」

      さらに7つの基本条件を知り、戦力の優劣を比較しよう。意味は前から、どちらの君主が善政を行っているか、どちらの将が有能か、
     天地の利はどちらにあるか、どちらの法令が徹底しているか、どちらの軍隊が強いか、どちらの兵が訓練されているか、賞罰はどちら
     が公正か。たくさんありますが、どれも重要な条件です。当たり前のようで、これらの要素を全て考えることは意外としなかったり。

   「勢とは利に因りて権を制するなり」

      自軍の状態がわかったら、弱点を補強しよう。そして、状況に応じて臨機応変に対処することが肝要。基本に忠実であることは基礎
     だが、こだわりすぎてはいけない。応用とは実戦経験で養われる。基本と応用を使いこなそう。

   「兵は詭道なり」

      戦争は騙し合い。不意を衝いたり、弱いふりをしたり、強い敵を避けたり。卑怯?作戦と呼んでくれたまえ。そしてこれこそが臨機応変
     に応用をきかせて行う必要があるのだ。敵の裏をかくことを忘れずに。

   「算多きは勝ち、算少なきは勝たず」

      要するに、負けるケンカはしないということ。勝算がなければ戦わないということは、孫子兵法の基本理念。先に述べた戦力の分析と
     比較から検討し、勝算の有無をはかろう。勝算があるということは条件が整っているということ。逆に条件が整ってなければ勝算は
     薄い。勝敗は戦わずして明らかになるのだ。勝利の見通しがない戦いは愚かしい。

 

二.作戦   戦いの意志は固まった。勝算はありますか?

   「兵は拙速を聞く」

     短期決戦が孫子の教え。長引けば、勝ったとしても被害・消耗は甚大である。戦争による利益は下がる一方だ。また、弱ったところを
    攻められても不利である。歴史的にも長期戦で勝利を収めた例は少ない。

   「知将は務めて敵に食む」

     長期戦が不利な理由のひとつは軍事物資の輸送に金がかかることである。ただでさえ兵器などに莫大な費用を費やすというのに、
    余計な金を使う余裕はない。兵糧は現地調達が基本だ。持っていくのが面倒なら、旅先で買うでしょう?ただし、略奪は厳禁。当然です。
    三大規律(一切の行動は指揮下にある、大衆のものは何であれ奪ってはならない、鹵獲品は公のもの)、八項注意(言葉遣いに注意、
    公正な売買、借りたら返す、壊したら弁償、暴言暴力禁止、田畑を荒らさない、婦人にちょっかい出さない、捕虜をいじめない)をしっかり
    守らなければならない。

   「敵を殺すものは怒なり、敵の利を取るものは貨なり」 「兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず」

     戦功を上げたものには、それに見合う賞賜を必ず与えることが重要。そうすれば士気も上がるというもの。褒賞がなかったために
    クーデターを起こした、なんて映画もありましたね。また、人材の登用や敵の補給物資兵器などを得ることによる戦力アップも見込める
    ことから、勝てば勝つほど強くなるのだ。

 

三.謀攻   戦い方を学ぶ。

   「百戦百勝は、善の善なるものにあらず」

     ただ勝てばいいというものではない。敵を殲滅しても勝利だが、なるべく傷つけないで降伏させるのが上策である。理想は戦わないで
    勝つこと。フジテレビがコケてしまったらライブドアには都合が悪いんです。戦争には必ずと言っていいほどこのような意図があります。

   「上兵は謀を伐つ」

     戦いを仕掛けるからには、敵にも何らかの意図があるということは前述の通り。戦争の場合、政治的要因が大きい。したがって、
    最善の策は、まず敵の意図を看破してそれを封じることである。諸葛亮が五丈原で敗れたのも、この謀略によるものだった。戦火を
    交えることになれば、消耗は激しすぎる。「戦わずして勝つ」は孫子兵法の理想なのである。力ではなく、頭で勝負するということ。

   「小敵の堅は大敵の擒なり」

     10倍の兵力なら包囲、5倍の兵力なら攻撃、2倍の兵力なら分断、互角の兵力なら勇戦、劣勢なら退却、勝算がなければ戦わない。
    これを原則とする。劣勢ならば即座に退却し、戦力を立て直す。玉砕は愚かな戦術である。このように、ただ戦うだけではダメなのだ。
    退却というといかにも消極的な戦法に思えるが、そうではない。撤退の時期、いわゆる潮時というやつを見定めて速やかにひくことは
    むしろ積極戦術と言えよう。孫子の他に、「三十六計、逃げるに如かず」と言った兵法家もいる。

   「彼を知り己れを知れば、百戦して殆うからず」

     この件はとても有名ですね。孫子兵法では勝ち目のない戦いは禁物である。ゆえに、勝算の有無を考える。戦いに挑むときは必ず
    勝算はあるということで、すでに敵も己も知っている状態である。今までの内容の総確認のようなものである。それができていない
    のであるならば、始計からやり直さなければならない。敵の力を知るのはもちろん、身の程も知っておきましょう。

 

四.軍形   不敗の態勢で臨む。

   「先ず勝つべからざるをなして、以って敵の勝つべきを待つ」

     まずは万全の守勢を固め、それから機をうかがって攻勢に転じる。攻める前に守りを固めること。勝算はあっても負けることはあるが、
    これなら勝てなくても負けはない。劣勢であるときには守りを固め、攻勢に出るのは自軍が優勢であるときである。攻めと守りのタイミング
    を見極め、使いこなそう。
    

   「善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」

     壮絶な戦いを制すれば、それだけ褒め称えられるものである。しかし、真の策士は無理なく自然に勝つ。それゆえに中々認めてもらえ
    ないことが多いが、実は優れた人なのだ。野球で、バカみたいにボールに飛びついて捕る選手がいますが、それは守備範囲の狭さや
    反応の遅さが原因であることが多く、あっさり捕るのがうまい選手であるのです。ただ勝てばいいというわけでもありません。

   「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む」

     必勝の態勢で戦いに臨む者こそが勝ち、戦いを始めてから勝機をうかがう者は負ける。まずはを不敗の態勢を固めること。国力を
    養い、基盤を固める。あとは予め練られた策を実行するだけである。負ける側は戦う前から既に負けているのである。十分な備えが必要
    です。

   「勝兵は鎰を以って銖を称るがごとく、敗兵は銖を以って鎰称るがごとし」

     鎰は銖の500倍の単位で、戦力差に大きな開きがあるならば勝利は容易いということ。鎰なら戦い、銖なら避ける。その判断は、確かな
    計算と総合判断力に裏打ちされたものでなければならない。安全に勝つというのが孫子の教えです。

 

五.兵勢   いよいよ采配。戦闘指揮を。

   「戦いは正を以って合し、奇を以って勝つ」

     正と奇は相反する語とされる。正は一般的で正常、奇は特殊で変化するもの。いざ敵を攻撃するというときは奇策を用いよということ。
    正面突破が正なら裏から攻めるのは奇、正攻法が正なら奇襲作戦は奇。相手の裏をかけ。

   「戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮むべからず」

     戦いは正と奇の2つで成り立っているが、その組み合わせは無限で知り尽くすことはできない。ただ正と奇を区別するだけでなく、両者を
    うまく組み合わせ、混ぜ合わせ、応用的にこなさなければならない。

   「善く戦う者は、その勢は険にしてその節は短なり」

     簡単に言うと、勢いは大切ということ。勢いに乗りつつも、勝機を見逃さず一瞬で決める。時には下手な計算より勢いを重視した方が
    良いときもある。勢いに乗ったらどういうことになるかは、野球の試合なんかでもわかりますよね。

   「善く戦う者は、これを勢に求めて人に責めず」

    個々人の働きに期待するよりも集団としての能力を発揮させて勢いに乗れということ。一致団結、チームワークでいきましょう。4番打者
   をかき集めたチームより打線として機能するチームの方が強いですよね。集団の力を引き出し、活用しよう。

 

六.虚実   虚と実の使い分け。

   「人を致して人に致されず」

    相手をこちらのペースに巻き込み、主導権を握る。相手から自由を奪いつつ、こちらは自由に動く。全て思うがままに、相手を翻弄せよ。

   「攻めて必ず取るはその守らざるところを攻むればなり」

    敵の守っていないところを衝けということ。そこを狙えば勝利は容易。マンガなどでも、警備の薄いところを狙ったりしますよね。そういう
   ところは攻められる可能性が低かったりしますが、そこを衝かれると、どこをどう守ったらいいかもわからなくなります。もう掌の上ですね。

   「進みて防ぐべからずはその虚を衝けばなり」

    読んで字のごとく、敵の虚を衝けということ。例えば戦いたくない時は、相手が戦えないようにしむける。例えば戦いたい時は、同じく
   相手が戦わざるをえないようにしむける。それらを“虚を衝く”ことでさせるのである。

   「十を以って一を攻むるなり」

    兵力が分散すれば、当然その実数も減る。敵が十に分かれたところを全軍で撃破する。戦力の分散なんて基本ですよね。分ければ
   分けるほど全体的に弱くなっていきます。ゲームなんかで敵が勝てないパターンです。

   「兵を形するの極みは無形に至る」 「兵に常勢なく、水に常形なし」

    決まった形などないということ。戦況や勝利条件など、いつも同じものではない。ゆえに、兵勢は臨機応変に変化するものでなければ
   ならない。前に使えたからといって、今回も有効とは限りませんよ。

 

七.軍争   

以下作成中・・・

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